肘関節の構造
肘には、上腕骨と尺骨の間の腕尺関節、上腕骨と橈骨の間の腕橈関節と、橈骨と尺骨の間の上橈尺関節があり複関節と呼ばれる。腕尺関節と腕橈関節は肘の屈伸に、上橈尺関節は橈骨が尺骨の周りを回ることで前腕の回外、回内を行い、腕尺関節と上橈尺関節は同時に働くことが多い。ここではこれらをまとめて肘関節と表現している。
肘の関節
- 腕尺関節
蝶番関節
上腕骨滑車と尺骨の滑車切痕からなる。 - 腕橈関節
球関節
上腕骨小頭と橈骨頭上面の関節窩からなる。
腕橈関節の運動
屈曲145°
伸展10° - 上橈尺関節
車軸関節
橈頭の関節環状面と尺骨の橈骨切痕からなる。
橈尺関節の運動
回外90°
回内85°
肘関節の靭帯
- 外側側副靭帯
上腕骨の外側上顆から尺骨の鈎状突下縁と橈骨切痕後縁
- 内側側副靭帯
上腕骨の内側上顆から尺骨の滑車切痕と鈎状突起 - 橈骨輪状靭帯
尺骨の橈骨切痕前縁から橈骨頭に巻きつき橈骨切痕の後縁に付く。
肘関節の運動に関する筋肉
肘関節の運動に関する筋肉(内は神経支配、Mは正中神経、Rは橈骨神経の支配を表す
- 屈曲
上腕二頭筋(M、上腕筋(M、腕橈骨筋(R、長橈側手根伸筋(R、円回内筋(M、橈側手根屈筋(M、短橈側手根伸筋(R、長掌筋(R、 - 伸展
上腕三頭筋(R - 回外
回外筋(R、上腕二頭筋(M、長拇指外転筋(R、長拇指伸筋(R、腕橈骨筋(R、長橈側手根伸筋(R - 回内
方形回内筋(M、円回内筋(M、橈側手根屈筋(M、腕橈骨筋(R、長橈側手根伸筋(R、長掌筋(M
上腕骨内側上顆・外側上顆に着く筋肉
外側上顆・内側上顆に起始を持つ筋肉は、主に前腕の回旋や手関節、手指の運動に関与している。
- 内側上顆
浅層の前腕屈筋群である円回内筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋 - 外側上顆
浅層の前腕伸筋群である長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、肘筋、回外筋