1. 股関節構造

    • 股関節は寛骨の寛骨臼と大腿骨の大腿骨頭から成る体内最大の関節で球状関節に分類されるが、関節窩が深く運動性が著しく制限されているため、臼状関節とも呼ばれる。
      大腿骨頭は120〜130°の頸体角と10〜30°の前念角をもち、寛骨臼は約30°下方に傾斜し、30〜40°前方に向く。
      また股関節は関節包を補強する関節包外の腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯により運動を制限される。

    股関節靭帯

    • 腸骨大腿靭帯
       人体で最も強い靭帯。下前腸骨棘と寛骨臼上縁から起こり、転子間線につき関節包の上面及び前面を補強する付着部が内側と外側に区別され、Y字を逆にしたような形のためY時靭帯とも呼ばれ両側で伸展を、外側部で外旋、内転を、内側部で内旋を制限する。
    • 恥骨大腿靭帯
       閉鎖稜から大腿骨頸部内側下部に付着し、関節包の前下面を補強し外転を制限する。
    • 坐骨大腿靭帯
       腸骨大腿靭帯の外側部と輪帯に付着し、関節包の後面を補強し内旋を制限する。
    • 寛骨臼横靭帯
       寛骨臼切痕の上方を覆うように付着し関節臼を補う。
    • 輪帯
       大腿骨頚部の最も狭い部分を巻き、関節包の過度の伸展を抑制し大腿骨頭を安定させる。
    • 大腿骨頭靭帯
       関節包内に存在する。寛骨臼横靭帯と寛骨臼切痕の辺縁から起こり、大腿骨頭窩につく。
  2. 股関節運動

  3.  股関節の運動には屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋があり、これらの動きが組合わさって様々な動きを行うことができ、骨盤の動きを伴うことが多い。
     ここでは断りが無い限り、立位での自動運動時の正常な股関節の可動域を掲示している。

    • 屈曲
       膝関節伸展時には、ハムストリングスの緊張により股関節の屈曲は制限され90゜、膝関節屈曲時には120゜以上の屈曲が可能。
      大腿を固定した場合は骨盤の前傾により行われる。両膝を胸まで抱え込むことができるのは腰椎の後湾と骨盤が後傾するためである。
    • 伸展
       膝関節伸展時は20゜以上、膝関節屈曲時はハムストリングスの完全収縮ができないため10゜の伸展が可能。大腿を固定した場合は骨盤の後傾により行われる。下肢を大きく後ろに蹴り出す際には骨盤の前傾と回旋、股関節の外転などが加わって行われる。
    • 外転
       左右それぞれ45゜ずつ以上の外転が可能であり。片側のみの外転では30゜を越えると骨盤の傾きを伴う。
    • 内転
       20゜以上
    • 回旋(内旋・外旋)
       40゜以上。股関節屈曲時は靭帯が緩むので伸展時より大きな外旋が可能である。
  4. 股関節の運動関わる筋肉

  5. 股関節の運動にかかわる筋肉を運動ごとにわけて表示してあります。
    ?屈曲
     大腰筋、腸骨筋、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋

    ?伸展
     大殿筋、中殿筋と小殿筋の背側部の線維、半膜様筋、半腱様筋、大内転筋、梨状筋、大腿二頭筋の長頭

    ?外旋
     大殿筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、中殿筋と小殿筋の背側部の線維、腸腰筋、外閉鎖筋、薄筋を除く内転筋群、梨状筋、縫工筋

    ?内旋
     中殿筋と小殿筋の腹側部の線維、大腿筋膜張筋、大内転筋の内転筋結節部、下肢が外転位にあるときの恥骨筋

    ?外転
     中殿筋、大腿筋膜張筋、大殿筋、小殿筋、梨状筋、内閉鎖筋、縫工筋

    ?内転
     大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、大殿筋、薄筋、半腱様筋、恥骨筋、大腿方形筋、外閉鎖筋

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